自分の身は自分で守る!!避妊ピル、バースコントロールピルを服用する ~ 避妊薬がただでもらえる、アメリカの医療サービス

   

女性にとって自分で自分の身を守ることは大事なことですよね。もし留学中に妊娠してしまったらどうしますか?留学中でなくても、自分が望まないタイミングで妊娠をした場合、ほとんどの場合、どうしようとまず悩むと思います。

私は留学中に、間接的にではありますが、周りで望まない妊娠をして中絶した人の話も聞きましたし、学業を諦めて結婚した人も見たことがあります。産むことを選んで、結婚をして自分がハッピーならいいかもしれませんが、私はやっぱり学校を諦めなくちゃいけなくなるような状況は避けたいと思いました。そしてそれ以上に中絶なんて絶対に嫌です。

妊娠だけはしたくなかったので、それまではずっとコンドームを使っていました。でも、Sophomoreの時に取った”Human Sexuality”のクラスでコンドームの避妊率は意外に低いことを知りました。サイトや機関によって調査結果は異なりますが、コンドームの避妊率は90%を切ります。正しく使用すれは98%くらいまで上がるようですが、破れたり、外れたり、やっぱりリスクはあります。

それに比べると避妊ピルの避妊率は高くなります。日本のサイトでは99.9%なんて数字も見ますが、アメリカではもう少し低くなるようです。10年以上ずっと避妊ピルを飲んでいます。性教育に関して日本はかなり遅れていて、身体に悪いんだよ、なんて偏見的な言葉も聞きますが、実際には避妊ピルは副作用も少なく、妊娠確率もコンドームに比べて低いです。

アメリカでは無料で避妊ピルやコンドームを提供してくれる医療機関がたくさんあります。Family Planningと呼び、望まない妊娠を避けるためです。なので健康保険を持っていなかったり、低所得者で病院に行けない場合も、ここに行けば避妊薬の処方箋をもらえたり、その場で避妊薬をもらえたりします。

留学生は健康保険はありますが、その保険の多くは定期健診には使えなかったり、処方薬はカバーしてくれなかったりします。自分の保険を使っていた頃、保険があまりカバーしてくれなくて、毎月避妊薬に$70近く払っていました。保険を持っているのに全然意味がないと思い、数年前から無料の医療サービスを使うことにしました。留学生は原則として働いてはいけないので、収入はないことになり、低所得者扱いになります。

低所得者用に無料でサービスを行っている医療センターはいくつもあるので、オンラインで探せばすぐ見つかると思います。

 

FPA Women’s Health

私は『FPA Women’s Health』という医療機関のサービスを利用しています。オンラインで予約も出来ます。この医療センターはカリフォルニア州にしかないようですが、アメリカはFamily Planningのサービスが普及しているので、どこでも見つかります。念のため、昔住んでいたワイオミング州の小さな都市キャスパーの近くで探してみましたが、ちゃんとありました。”Most birth control and annual well-woman exams will be covered for free ”と書かれています。

この『FPA』は避妊薬を無料で手に入れられるだけでなく、性病の検査も受けられます。中絶手術も行っているようです。普通の病院と変わりはなく、もちろんお医者さんも医師免許を持っています。ただ低所得者のために無料でサービスを行っているというだけです。

ただ無料のため、処方された薬はBrand医薬品(先発医薬品)ではなくGeneric医薬品(後発医薬品)です。昔は普通のクリニックへ行き、Brandの避妊薬を使っていました。でも月$70と高過ぎて、毎月ピルを取りに行っていた『Rite Aid』の薬剤師さんの方からGenericにしたら?と言われました。その後、先生に相談してGenericに変えました。ずっとGenericを使い続けていますが、特に問題はありません。

 

避妊率

『FPA』に行った時にポスターがあったので撮りました。

色んな避妊法があるんですね。小さな3cm程のプラスチックの棒を腕の下に埋め込む避妊法もあるようです。でも私は何となく痛そうなのは避けたかったので、避妊ピルです。避妊ピルは避妊法の中では避妊率そこまで高くないようです。

避妊ピルは92%とそれほど高くはないかもしれませんが、コンドームはこのリストにすら入っていません。使い方もまだよくわからないこともあり、コンドーム使いたての最初の1年で女性が妊娠する確率は20%です。

少なくとも、避妊ピルの方がいいようです。

 

 

子宮頸がんのテストも受ける

基本的に『FPA』でも、他のクリニックでも避妊ピルの処方のためにクリニックに行くと、血液検査はします。『FPA』はそれ以外に何か受けたいテストはあるかと聞かれたので、私は子宮頸がんのテストもしました。”Pap Semear Test”又は”Pap Test”と呼びます。子宮に綿棒を入れて、細胞を取り、調べます。

私は前に通っていたクリニックのお医者さんに、特に性病などの経験がなくても、一度でも性交をしたことがある女性はみんな定期的に受けるべき、と言われたので、定期的に受けるようにしています。あと触診なのでどこまで正確かはわかりませんが、乳がんのテストもお願いします。女の先生なので恥ずかしくないです。やっぱり女の先生がいいですよね。

血液検査もその他の性病のテストも、異常が見つかれば病院から電話がかかってきます。希望すれば他にもテストは受けられます。

 

バースコントロールピルの副作用

日本ではまだそこまで普及していないため、あまり知られていないかもしれませんが、避妊ピルは全然危険でもなければ、身体にも悪くありません。もちろん服用してはいけない人もいます。血栓のある人、乳がんや子宮がん、腎臓に疾患がある方は服用できません。よく言われる副作用は、頭痛、吐き気、不正出血、胸の張りなどがありますが、薬になれると治まります。血栓が出来る可能性もあるようですが、その可能性はかなり低いようです。

逆に体にいい効果もあります。ホルモンをコントロールするので肌荒れが少なくなる、生理前のイライラがなくなるというのもありますし、海外では子宮がんのリスクが低くなるとも発表されています。

私の周りの留学生のほとんどは避妊ピルを飲んでいます。ほとんど場合がやっぱり保険が使えないので、こういう無料医療機関でサービスを受けています。私も含めて副作用に悩まされている子はいないですし、血栓が出来た子もいません。私自身は不正出血がしばらくありましたが、いつの間にかなくなっていました。

最初に行った病院では、日本人に合うピルは何種類かあるからと言われました。自分の体に合う合わないはあるようです。最初に試したピルは不正出血以外は何も問題なかったので、そのままそのピルを飲み続けました。

もちろん、副作用や身体に異変を感じたらすぐ病院に行くべきです。やっぱりお医者さんはプロなので、サイトやブログなどで検索するよりも、お医者さんに相談するべきですね。

 

避妊ピル

私は診断が終わった後この避妊セットをもらいました。

避妊ピル12個とモーニングアフターピル1個です。あとコンドームもこんなに入っていました。

モーニングアフターピルは緊急時に飲む薬で、72時間以内に服用すると高い確率で妊娠を避けられるというものです。元々避妊薬を飲んでいるの場合は必要ないと思いますが、1つ入ってました。

無料サービスは2年前から受けることにしました。なので、まだ2回しか行ったことがないのですが、1回目と2回目で処方されたピルが違いました。1回目は処方箋だけもらって、毎月薬局にピルを取りに行っていましたが、2回目はまとめて全部もらいました。

毎日決まった時間に飲みます。忘れてしまった時は次の日にまとめて飲みますが、3日、4日忘れた場合は説明書に書いてある通りに飲みます。5日以上飲み忘れた場合はもうダメみたいです。次のサイクルを待つしかありません。

避妊薬は抗生物質などを飲んだ場合は効果が弱まってしまう場合があるので、説明書にも必ず抗生物質などを服用した時はコンドームなどバックアップの避妊もして下さいと書かれています。正しく飲まないと効果は弱まるので、お医者さんの話はちゃんと聞いて、説明書も読んでから服用しましょう。

 

性病は防げない ~ ”日本人だから大丈夫”なんてない

避妊ピルはホルモンも調整して妊娠しない身体を作るだけなので、性病は防げません。性病対策にはやっぱりコンドームを使うべきです。

もちろん、パートナーが性病を持っていないことが確認出来れば、コンドームは使用しなくてもいいかも知れませんが、性病なんて持ってないよ、なんて言葉だけで決めてはいけません。ちゃんとクリニックに行って、診断結果を目で見ない限りは信用しちゃいけないと思います。これは自分の身体のためなので、パートナーを疑うなんて、とか、パートナーの言うことを信用しないなんて、とかそんな問題ではありません。

前に行っていたクリニックの先生が言っていました。日本人は『彼は日本人だから』とよく言うと。日本人だから性病は持っていないと思うようです。でも日本人だから大丈夫なんて、なんの根拠もないですし、逆に私は性教育の遅れている日本人こそ危ないと思います。自分のためにもちゃんとパートナーが性病を持っているか確認する必要があります。

 

自分のために

私のこの避妊ピル服用は自分のためです。妊娠したくなかったからです。今はもうこの歳なのでなんとかなりそうですが、若い時は絶対に嫌でした。でももちろん避妊ピルも100%ではないので、もし避妊ピルを飲んでるのにそれでも妊娠したら、それはもう、運命なんだと思い産もう!!と決めていました。

避妊ピルを飲む理由は色々あると思います。生理前の気分屋を治すためや、生理の周期を安定させるために飲む人もいます。でもやっぱり最初の理由は避妊のためだと思います。望まない妊娠に、強姦されて妊娠をした場合、というのも見ましたが、その可能性は一般的には低いと思います。やっぱり一番多いのは避妊の失敗か、深く考えず自分たちの快感のために避妊を全くしない結果の望まない妊娠が多いと思います。

自分達の快感を得たいというエゴで、中絶されてしまう赤ちゃんは本当にかわいそうです。小学校高学年でも性教育で学びますし、性交する時は避妊しなければ妊娠する可能性があるということくらいはわかっていると思います。自分の意志の問題です。

避妊に関しては、自分の身体を守れるのは自分しかしません。自分の精神的ダメージや身体のため、犠牲になってりまうかもしれない赤ちゃんのためにも、避妊は大事です。避妊ピルは身体に良くないからなんて言って、妊娠して、中絶する方がよっぽどひどいです・・・パートナーにもよりますが、必ずしも毎回コンドームを使ってくれるわけではないのなら、避妊ピルを服用することも選択肢にあります。

もちろん、抵抗があるのであれば無理にトライする必要はないと思います。ただ避妊ピルは避妊率も高く、リスクもほとんどないので、避妊ピルの存在も知っていて欲しいなと思いました。

 

 

 - アメリカでの生活