アメリカのタックスリターン Goodwill のレシートは申請しても意味がない!?

   

少し前に女子会をしていた時です。たまたま donation の話になりました。この辺では donation となると、大体みんな ”Goodwill” か ”Salvation Army” というNPO(非営利団体)に行きます。

Goodwillに行ってレシートをもらってこよう!!と友達が言っていたので、いつもはレシートは要らないと去っていた私ですが、今回は私ももらってこようと思いました。

その後、会計士の相棒に「今回は私もGoodwillのレシートもらってくるんだ」と言うと、「意味ないよ」との返事が・・・何で!?

その子だけじゃなく、みんな寄付した時はレシートをもらってくると言います。

「Standard deduction と Itemized deduction 覚えてる?」

Ummm…. 何となく覚えているような、覚えていないような・・・・私は大人になってから勉強し直そうと、会計学を学びにコミュニティカレッジに戻りました。その時は、歳も歳なので、どうしても早く卒業したく、クラスは一気に、取れるだけ取りました。

留学生は1学期最低12単位が原則ですが、張り切って18単位取った学期もありますし、Full-timeで通った学校のクラスだけでは足らず、違う会計のクラスを求めて、Part-timeでも掛け持ちで他の学校へ行きました。3学期で合計で4つの学校に行きました。

それくらいの気合で勉強しましたが、予備知識ゼロの状態で1番最初に勉強した Tax Income のクラスと Managerial Accounting のクラスだけは、正直もうほとんど覚えてないです・・・・覚えていないというか、rather、最初から理解していなかった、と言った方がいいかも知れないですね・・・ Tax Income の最初の方だけは結構覚えているのですが、最後の方は18単位とシフトでアップアップになり・・・全く記憶にございません・・・

 

Standard Deduction(定額控除) vs Itemized Deduction(項目別控除)

そんな私でも ”Standard Deduction” と ”Itemized Deduction” の部分はちょっとだけ覚えていて、そしてそれに関する先生のストーリーも覚えています。

相棒の説明はシンプルで、すぐに思い出しました。私達は Tax Return の際に ”Standard deduction”(基準/定額控除)又は ”Itemized deduction”(項目別控除)のどちらか金額の大きい方を選びます。Goodwillのレシートは ”Itemized deduction” を選んだ時のみに使えて ”Standard deduction” を選んだ場合は使えません。そしてよっぽどじゃない限り、みんな ”Standard Deduction” で申請するので、レシートは意味がなくなる、ということでした。

 

Standard Deduction

2016年の ”Standard deduction” の額はこのようになっています。

Chart from Bankrate

目の見えない方や、65歳以上の方は金額がもう少し大きくなります。

独身の人は、$6,300 の控除になるので、もし収入が$40,000の場合は $33,700($40,000-$6,300)に対しての税金を払う、ということになります。

 

Itemized Deduction

”Itemized Deduction” は文字通り対象の ”Item” の額を足して申請します。

Tax Returnには、金額の大きい方の控除を使うので、もし ”Itemized Deduction” の額が ”Standard Deduction” の額を越えない場合は ”Standard Deduction” を利用します。

例えば ”Standard Deduction” は$6,300 なので、”Itemized Deduction” の合計額が$6,000の場合は、”Standard Deduction” を選びます。

Goodwill の寄付はこの ”Itemized Deduction” の対象アイテムのうちの1つです。Goodwill や他のアイテムの合計を足して、$6,300以上になった時に初めて利用できることになります。逆に、Goodwillのレシートなどを足して、$6,300を超えなければ、”Standard Deduction” を利用することになるので、レシートは関係なくなるということです。

Goodwill のレシート以外にも、他にも”Itemized Deduction” の項目はあります。

 

色々と項目がありますが、私の様に独身で、家もなく、特にビジネスで返金されてないお金などもなく、他にこの項目に当てはまる費用が何も場合は、”Itemized deduction” が ”Standard Deduction” を超えることはまずないです。家なども持っている場合は住宅ローンの利息部分が使えたりしますが、それでも全部足して$6,300を超えないと使えません。

 

医療費も自己負担で、しかも相当使わないと利用できない!!

項目の中に医療費があるので、医療にお金を使った年はタックスリターンに使えるかな?とも思うかもしれません。でもこの項目もなかなかクリアするのは難しいんです。

これは医療費の申請に使える項目です。保険で支払われた額ではなく、自己負担金しか控除には使えません。

もし私がこのリストの中にある医療費を払ったとします。もし2016年に$7,000使ったとします。じゃあ ”Standard Deduction” は $6,300だから、医療費の$7,000で”Itemized Deduction” を申請できる!?と思うかもしれませんが、実際にはそんな単純な計算ではないんです。

基本的に、この額からAGI(Adjusted Gross Income)の10%を引かなくちゃいけないんです。もし私の AGI が $40,000だとします。$40,000 の10%は$4,000なので、実際は $3,000($7000-$4,000)しか申請には使えないんです。

Tax Income のクラスを取っていた時に、先生が ”私は自己負担で医療費を$10,000位使わないと意味がない” と言っていたのはこのことなんですね。もし彼女の収入が$70,000だとしたら、$10,000-$70,000=$5,000、結局$4,000しか使えないんです。

ちなみに医療費の計算は、65歳以上は AGI の7.5%になります。

もし私にこの医療費の$3,000があったとしても、Goodwill のレシートと足して、どんなに頑張っても$3,500~$4,000くらいにしかならないでしょう。$6,300までには辿り着きません。

 

Conclusion

私達が Goodwill のレシートを使って控除してもらうのは、実はかなり難しいようですね・・・ もちろん他にも ”Itemized Deduction” で使える出費がある場合は別ですが。

私の友達は結婚しているので、もしかしたら旦那さんの方で出費があるのかもしれません。

他にもよく会社に勤めている子達が、Business Clothを買った時に、レシート取っておけば良かった!!と言いますが、これも全く意味がないです。基本的にBusiness Clothで認められるのは、個人用に買ったスーツや靴などではなく、業務上必要なヘルメットや作業着などです。その辺の ”Banana Republic” や ”Nordstrom” などで買ったオシャレなシャツなどは全然関係ないです。

解りやすく簡単にしましたが、実際にはもっともっとComplicatedな部分もあります。

今回は、私がもらってきたこのレシートは関係なかった・・・というお話でした。もちろん ”Itemized Deduction” の控除を利用する方は関係しますけどね。でも私のように、家もなく、なんのローンもなく、医療での出費もない、ギャンブルで大金が当たったわけでもない人は、 ”Standard Deduction” の方が金額が大きいので ”Standard Deduction” で申請することになります。

こっちの記事にも、もし ”Standard Deduction” の額以下なら貯めてきたレシートは捨ててしまえ、と書いてありました・・・

Article from Bankrate

日本同様、アメリカも税金関係で cheating して見つかった場合のペナルティは容赦ないです。罰金だけで済めばいいですが、もしそれ以上のペナルティになると刑務所に行く可能性も・・・

Legallyにタックスリターンしましょうね!!

 

参考にしたサイト

日本人のCPA(米国公認会計士)の方の、すごくわかりやすい説明を見つけました。彼のサイトの ”控除群2: Itemized /Standard Deduction” を参考にさせて頂きました。 さすがエキスパートの方です。わかりやすいです。

そしてファイナンスのエキスパートの方の『fi Planning』も参考にさせて頂きました。税金以外も情報がいっぱいです!!

 

 

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